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工事原価管理をより一層有効にする仕組み

建設工事を主要な事業とされている建設業界では、工事別の原価管理を実施されていると思いますが、そもそも工事別原価管理は行うのでしょうか。

よくある話ですが「うちは原価管理をやっています」、とお聞きする中で、企業様ごと実施のレベル感は様々です。

ここでは当社が推奨する方法をご紹介したいと思います。


左側に工事管理者、右側が経理です。

フローはここでは上から下に向かっています。


ポイントはいくつかあるのですが、ここでお伝えしたいのは緑色を付したプロセスを踏むことが、ご注目頂きたいところです。


【工事予算共有】

実行予算策定されると思いますが、これを経理側と共有しておきます。予算と乖離が生じたら経理側から工事管理者へアラームが鳴る仕組みとします。


【工程会議等による相違チェック】

工程進捗確認、安全確認等と合わせて、工事原価面でも事実確認を行います。ここでは最も正しく把握できている経理側の原価発生状況を、工事管理者にフィードバックを行います。事実認識に相違があった場合、予算との乖離がある場合には、再発防止策や次善の策を検討、決定します。


この仕組みのメリットは、一つ目にPDCAのフレームそのものでわかりやすい点があります。

次に、日々進捗する原価発生状況を意識するべきは工事管理者でありますが、その管理範囲を安全面、品質面だけでなく、原価面まで拡げることができます。

マネジメント側の管理能力を超える工事数等の規模になると、多くが事後的対応になり、対応の範囲や有効性にも限度があり、さらにその繰り返しとなると収益性向上に至ることができません。

利益を生む主体である工事管理者が自律的に管理できる仕組みの構築が収益性向上施策として有効だと思いますし、多くの企業様がこの方法で収益性を改善されてきました。


収益性向上を目的とすると、工事原価を把握して結果のみを確認している仕組みである場合、もう一歩改善の余地があると思います。

利益金額に関しても、その管理プロセスに目が行き届くように上記のような社内の関係者を巻き込んだ仕組みを構築されることをお勧めしています。

飯島渉

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