成迫会計グループ
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「思っていた数字と決算書の数字が違う!」
「黒字だと思っていたのに赤字だった!」
こうした話題を建設業の会社さんからよく聞きます。
これが起こる主な理由が私の経験上3つあります、今回から2回シリーズでお伝えしたいと思います。
今日のテーマ、理由①「工事共通費の見落とし」です。
前提として、工事別利益の合計が、決算書の粗利益になるという構造があります。
下に簡単な例を示しています。
現場A~F、それぞれの台帳と合計額、その右側の表は決算書です。
(a)労務費(間接費)
工事に直接関わっていない、倉庫番の方や社内業務に従事していた人工代が該当します。
工事別採算には現れませんが、決算書には現れ、工事別台帳だけで売上総利益を把握をしようとすると差異が出ます。
(b)減価償却費
工事別採算では自社保有機械を使用した時の減価償却費(損料)の計上漏れや、未計上のケースはよくあります。
(c)その他工事経費
車両に関連する費用、機械修理費、燃料費、消耗工具費などです。およそ年間の購入量はあるのですが、複数の現場で使用するため、工事台帳に反映されていないケースは多々あります。
これらが積もり、「22,000の粗利だと思っていたのに、4,000しかない!!」となります。
対応策
“(a)労務費(間接費)”と“(c)その他工事経費”については、年間で間接費がどの程度必要かを試算し、工事別採算の年間見込み金額から差し引くことで正確な粗利(売上総利益)を把握することができるようになると思います。
“(b)減価償却費”については機械ごとに年間の稼働状況を考慮して算出した1日当たりの損料を決めて、工事別採算や実行予算に反映するのが望ましいです
毎年、思っている利益と決算書の利益金額が違う、その理由が今更言えないけどその理由がわからない、という場合にはまずは現状把握として自社の総コストの把握に取り掛かるとこうした見落としによる差異や、項目自体は見落としていないけど、いつのまにかにそれぞれの費用が想像以上に増えていたなど、いくつかの理由に気づけることがあります。
次回は理由②「販売費及び一般管理費の見落とし」についてお伝えします。
飯島渉