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建設業 決算書と社内の把握はなぜズれる?②

前回から引き続き、実際に税理士事務所から出てきた決算書と、想定していた決算書の利益が相違するケースの第二回目です。

 

今日のテーマ、理由②「販売費及び一般管理費」の見落とし、です。

 

出発点としては前回同様に、工事別利益の合計が、決算書の粗利益になるという構造です。

一般的に(工事)間接費や(工事)共通費と言われる、各工事現場に直接割り振れない車両や機械の燃料費、減価償却費などの漏れを前回指摘しましたが、ここでは簡単にするために考慮しないこととします。

 

工事Aの利益:5,000千円

工事Bの利益:6,000千円

工事Cの利益:△8,000千円

 

赤字工事はできる限り避けるべきですが、地場の工事であるから当社が施工しなければならない、継続工事として数期当社で施工しているから、などの理由で受注せざるを得ないこともお聞きしますが、なにかしらの事情で赤字工事が発生してしまった場合に、よく今日のテーマの販管費の見落としという誤認が起こります。

赤字工事が発生するとその工事損益の行方に近視眼的になり、

「赤字の工事もあったが、全ての工事を合算すればなんとか3,000千円の黒字だった(5,000+6,000-8,000)」と安堵したとします。

しかし、ここで毎年ほぼ同額ある例えば10,000千円の販管費そのものを見落とししまって結果的に7,000千円の赤字になってしまった、という内容です。

 

<対応策>

①自社のコスト構造をしっかり把握する

②コスト構造に合わせた適切な年間予算を計画する

 

これに尽きます。実行予算、工程計画、安全計画、様々なKPIと公共工事における地場業者としての事情があると思いますが、それらを考慮して継続的に決算書を黒字していくことが経営者の重要な役割の一つと言えると思います。

決算書は穴が開くほどにしっかり読み込みましょう。そしてコスト構造も昨今のインフレや人件費の高騰、人材採用のためのコスト増加等の経営環境の変化によってもまた変化しています。実はわかるようでよくわかっていないんだよ、ということも良くお聞きしますが、その際には一緒に決算書の分析(細分化)をご支援しています。

 

次回は理由③「決算会計処理、間接費の洗い替え」についてお伝えします。

飯島渉

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