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「我が社の商品は自信があるのになぜか売上が伸びない…」
「サービスの開発をどれだけ進めていても実際に購入してもらうのは難しい…」と感じている方はいらっしゃいませんか?
今回は、消費者心理の基本として商品やサービスを購入するまでの過程「アイドマの法則」をご紹介します。
「アイドマ(AIDMA)の法則」とは、消費者が商品やサービスなどの「モノ」を認知してから実際に購入につながるまでの、購買行動の過程を理解するためのフレームワークです。消費者が購入するまでの以下の5つの行動の頭文字をとって「AIDMA」と表記されます。
① 注意(Attention)…消費者が商品やサービスを知る
② 関心(Interest)…消費者が商品やサービスに興味を持つ
③ 欲求(Desire)…その商品やサービスを欲しくなる
④ 記憶(Memory)…消費者が「欲しい」という気持ちを再度呼び起こす
⑤ 行動(Action)…実際に購入するために店舗を訪れる・Webサイトを訪問するなどの行動を起こす
消費者の上記5つの行動に対して提供側はどのように対策すればよいのでしょうか。それぞれの段階別に提供側が実践できるアイデアを考えてみます。
① 注意(Attention)…消費者がモノを購入するための最初のステップ「商品を知ること」がこの段階です。 どんな商品であっても購入されるためにはまず消費者に「知られること」がきっかけになりますので、第一段階の認知活動がとても重要になります。そのためには以下のような認知を広げる策が有効です。
・テレビCMの放映や新聞広告、チラシなどを入れる
・InstagramやXなどSNSでアカウントを作成し、会社や商品の情報発信を行う
② 関心(Interest)…購入されるためには消費者に知られるだけでなく、さらに興味を持ってもらう必要があります。この段階では、自社の商品が「消費者の悩みを解決する・希望を叶える」ものであることを簡潔にわかりやすく伝えることが必要です。
また、購入が想定される特定のターゲット層に狙いを絞った広告を打ち出し、そのターゲットにとって特別感のある情報を印象付けて関心を引くのも効果的です
③ 欲求(Desire)…この段階では先に消費者が持った興味をいかに「買いたい」に変えるかがポイントです。消費者は購入前に「この商品・サービスは本当に必要か・価格化は妥当か」といった不安を持ちます。この障壁を取り除くためには、不安を取り除くようなセールスが有効です。
・無料トライアル体験や試供品、試食品を提供し、購入前に商品を試してもらう
・商品の詳細情報や利用者の満足度など、単純な商品情報よりさらに踏み込んだ情報を共有する
④ 記憶(Memory)…消費者は日々様々な情報に触れます。購入欲求を持ってもその場で購入されずに検討されたり忘れられたりすることも多いでしょう。一度「欲しい」と思っていた消費者の記憶を再度刺激し実際に購入までつなげる策が効果的です。
・過去にサイトを訪問したユーザーに商品を再度表示する「リターゲティング広告」を打つ
・定期的に目に入る場所に広告を掲載する(駅のホームや公共交通機関の中、電柱看板など)
⑤ 行動(Action)
最後に実際に購入するための行動を指すのがこの段階です。消費者が購入することを決めて行動するため、購入機会の提供やサービスにおける保証制度の強調など「消費者にとって購入しやすい環境づくり」が重要です。さらに消費者が購入意思を固めた後は「スムーズに購入できるか」もポイントになります。例えば通常のレジ会計もセルフレジの導入をする・商品袋詰めをお客様に任せるといったことでお客様がスムーズに購入できる環境へと変化するでしょう。
ここまで、「アイドマの法則」の詳細と活用方法を考えてきました。この法則は1920年代に提唱された歴史あるものですが、基本的な人間の心理は当時と現代でも大きく変わるものではなく、現代でも消費者心理を考察するうえでの基礎的な考え方として活用されています。
また「アイドマの法則」の応用として、昨今では「アイサスの法則」も有名です。これはAttention(注意)・Interest(興味)・Search(検索)・Action(行動)・Share(共有)の頭文字を取ったフレームワークで、より現代の消費行動に則した考え方だと言えます。こちらは家具家電や自動車、高級化粧品など、金額が高く、検討に時間をかけたい・他人の意見を知りたいと思うような商品ジャンルに有効な考え方です。
消費者の行動心理には段階があり、それぞれの段階で購入を諦めてしまう要因があります。
自社の顧客が現在どの段階にいて何が原因で諦めている=購入に至らないのかを分析し、消費者の「欲しい!」を「買ってよかった!」につなげていきましょう。
宮田さくら