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事業承継のよくある課題事項

 事業承継は、どの企業もあてはまる経営課題です。私は、日頃、様々な企業の事業承継の相談業務にあたらせて頂いております。令和4年は、県の専門家派遣事業で11件(前年度からの継続案件も含む)、クライアント企業への個別支援で7件(継続支援中)、金融機関からの紹介案件で数件の事業承継相談を承らせて頂きました。こうした実務の中で共通して出てくる経営者の悩みは主に以下の3つです。

① 事業の引継ぎ方が分からない(後継者にどう伝えて良いのか分からない/日々の経営で精一杯)

② 具体的に何をすれば良いか、何から始めて良いのか分からない

③ 誰に相談すれば良いのか分からない

 正直、無理もないことだと思います。なぜなら、事業承継は、人生で一度しか経験しないものだからです。況して、自分で事業を創業した経営者であれば、先代から引き継いだ経験がないため猶更です。

今回は、そんな事業承継の基本的な視点とよくある課題事項をご紹介させて頂きます。

[事業承継で引き継ぐもの・個別検討事項]

 上記は、私が様々な企業の相談に応じる中で、よくある課題事項を整理したものになります。上記にすべて☑(対策や手続きができている)が入れば、おおむね円滑な事業承継ができると思います。御社はいかがでしょうか?

 但し、これらの課題事項を一度にすべて見極めて解決することは難しいです。通常は、計画から数年かけて進めていくことが一般的です。その場合には、「いつ、何を進めるか」というスケジュールを計画書に落とし込むと良いでしょう。

 そのためのツールとして、中小企業基盤整備機構の様式(事業承継計画書)を活用すると良いです。(中小企業基盤整備機構HP:https://www.smrj.go.jp/tool/supporter/succession1/index.html

 事業承継計画の策定の最大のポイントは、「目線合わせ」です。つまり、経営者一人で作るのではなく、後継者も同席の上で、双方理解のもと作成することが重要です。この点を蔑ろにすると、単なる「絵に描いた餅」、社長の独善的な計画になり、結果として事業承継が果たされなくなってしまいます。しかし、親と子、または社長と従業員という間柄だと、どうしても感情論や遠慮が出てしまい、お互いに本音でしかも建設的な話し合いをするとなると難しい場面が多くあります。当人同士だけでまとめるのが難しい場合には、第三者的立場の専門家に同席してもらうとスムーズに計画を策定できると思います。弊社が事業承継支援でお役に立てるのは、そうした「場を作る」点です。

 最後に、事業承継における課題はいろいろありますが、一番大きな課題は、事業承継の「時期」を決められないことだと思います。決めなくても誰からも注意されません。決めなくても、日々の事業には何ら支障がありません。事業承継という経営課題は、重要性は高いものの緊急性が低い(期限が顕在化しない)が故に先送りされてしまいます。しかし、日々の事業を優先するがあまり、事業承継をつい先送りしてきたことで、経営者が高齢となり、気づいた時には手遅れになっている、というケースを多く見かけます。事業承継の時期は経営者自らが決める、そして後継者と必ず共有する、この覚悟が事業承継の上で最も重要な点であると思います。

 事業承継の個別課題については、直接その分野の専門家に相談することが一番の近道ですが、全般的に自社の課題事項の洗い出しと対策を漏れなく整理していくこと、そしてそのような検討の場をしっかりと持つことは意外とできていない場合が多いです。事業承継の課題整理をお考えの企業は、ぜひお気軽に弊社へご相談ください。

中村雄太

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