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「事業承継を進めたいが、誰に何を相談したらよいのか分からない」そんなお悩みをお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、公的機関である「長野県事業承継・引継ぎ支援センター」についてご紹介いたします。
そもそも「事業承継・引継ぎ支援センター」とは、国が全国に設置している公的窓口機関のことです。
47都道府県すべてに設置されており、親族内承継はもちろん、従業員承継や、後継者不在の場合のマッチング・第三者承継にも対応しています。
長野県では、関東経済産業局が国から受けた委託事業として、長野県産業振興機構が運営しています。
[長野県事業承継・引継ぎ支援センターについて]
・所在地:〒380-0928 長野市若里1-18-1 長野県工業技術総合センター3階
・問い合わせ:TEL 026-219-3825
・HP:https://shoukei.nice-o.or.jp/
・主な支援内容
① 親族内承継:親子など親族内で事業を引き継ぐ場合に事業承継計画の策定支援を行います。
親子であるが故に感情面など割り切れないことが多く当人同士では話が進まない場合でも、
第三者として専門家が入ることで建設的に承継計画を進めることができます。
② 従業員承継:社内の従業員へ事業を引き継ぐ場合に親族内承継同様に事業承継計画の策定を支援します。
社長と従業員、また親族ではない他人同士という関係上、遠慮が出て本心を伝えられなかっ
たり、利害関係の話がしづらかったりする場合でも当センターが入ることで
適切なアドバイスのもと話を進めることができます。
③ 第三者承継:後継者が不在の場合など、相談から譲受候補先企業のご紹介、成約に至るまでの
手続き面の助言等、第三者への事業引継ぎをサポートします。
④ 後継者バンク:創業を目指す起業家と、後継者不在の会社や個人事業主を引き合わせ、創業と事業
引継ぎを支援します。
[長野県の支援体制の特徴]
長野県はエリアが広いため、北信・東信・中信・南信の各地域にエリアコーディネーター計4名を配置しています。
いずれの方も地域金融機関の出身者で企業支援の経験も豊富であるため、経営者の悩みを幅広く訊きアドバイスしてくださると思います。
また、エリアコーディネーターだけでは対応しきれない場合や、具体的に事業承継計画の策定を希望される企業には、
県登録の専門家(中小企業診断士や税理士)を派遣し無料で助言指導を受けながら事業承継計画を策定することもできます。
【長野県事業承継・引継ぎ支援センターHP :https://shoukei.nice-o.or.jp/madoguchi/】
※4月より一部コーディネーター担当変更の予定あり
[専門家派遣制度について]
弊社でも2名の中小企業診断士が専門家登録をして活動しています。
もちろん直接弊社にお問い合わせ頂いたり、顧問税理士やメインバンク担当者に相談してみることも良いと思いますが、
承継課題や承継方針がまだ明確でない場合などは、ひとまず事業承継・引継ぎ支援センターやエリアコーディネーターに連絡をし、相談してみるのも大きな一歩だと思います。
[事例紹介]
専門家派遣制度にて弊社スタッフが関わった事例が長野県産業振興機構HPに掲載されていますのでご紹介します。
(出処:長野県産業振興機構HP https://www.nice-o.or.jp/case/page/7/)
① 有限会社北アルプス牧場(安曇野市/酪農・乳製品製造販売)
父親から息子さんへの典型的な親族内承継です。社長である父親が70歳を超えたため、長男への承継計画を立案しました。
かつては、息子3人がおり承継方針がまとまらず白紙となった経緯もありますが、改めて意思確認の基、承継課題を抽出し双方合意のもとに進めました。
現在も弊社で継続的なコンサル支援をしておりますが、代表者変更や自社株式承継を無事に遂げ、
今は息子さんが代表取締役社長となり経営力向上に取り組んでいます。
承継を機に、チーズなどの新たな製造アイテムも増え今後の売上アップにも期待がかかるところです。
② 有限会社ソットラルベーロ(飯田市/イタリアン飲食店)
70歳を超えた父親からの承継で、後継者候補として、長男(料理長)と娘婿(店長)の2名がおり、承継方法に迷っておられました。
店舗地代の負担が重く、収益を圧迫していましたが、飯田信金による経営改善と、土地の転貸借権および建物の取得が進んだため、承継計画を立案しました。
承継方法として会社分割(分社型分割)を用いて、不動産管理会社(親会社)を長男が、飲食店を分社化した子会社を娘婿が承継することで双方合意となりました。
会社分割の実施は2年後を目途にしています。
会社分割スキームは、当HPの2023年5月15日付コラムでも紹介しています。
事業承継を考えるのに「早すぎる」はありません。また、考え始めてから実際に承継するまでは一般的に3~5年前後かかることが多く、引き継いだ後もやはり同程度の期間の伴走が必要です。
事業承継は、自ら一歩を踏み出さなければ、誰も期限を設けてくれません。
このコラムをご覧になったことを機会に一歩、事業承継への検討を進めてみてはいかがでしょうか?
事業承継にお悩みの方はいつでもお気軽に弊社までご連絡を下さい。
中村雄太